デレク・ハートフィールドの日記

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zoom RSS 連載小説 『ツチノコの杜をぬけて』 第15話

<<   作成日時 : 2011/09/25 20:20   >>

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第15話 『決戦』
あしたのために (その1)

〜 ジャブ 〜
 
"攻撃の突破口をひらくため あるいは敵の出足をとめるため 左パンチをこきざみに打つこと このさい ひじを左わきの下からはなさぬ心がまえで やや内角をねらい えぐりこむように打つべし せいかくなジャブ三発につづく左パンチは その威力を三倍に増すものなり”                 
                               
                            矢吹丈への手紙 丹下段平

生まれてこのかた人に手をあげたことのない安夫であったが、天の啓示のように舞い降りてきた丹下段平の教えに従い、次郎の顔面めがけて左ジャブを繰り出した。

「打つべし!」 (安夫の心の声)

矢のように伸びる安夫の左。ビシュッ、と空を切る。
虚をつかれた感の次郎は、それでも天性の反射神経でスウェー・バックし、鼻先で交わす。

「打つべし!」 (安夫の心の声、ていうかチョイ声漏れる)

二の矢を放つ安夫。ズザッ、と半歩踏み込みながら繰り出した2発目は射程を深め、次郎の顎先を捉える。
激しい動きの中で、それでも安夫は次郎の動揺を見逃さなかった。

「打つべし!」 (安夫、絶叫)

団平の教えではもう一発左ジャブを放つところを、安夫は渾身の右ストレートを繰り出した。全体重、いや、これまでの全人生の重みを右拳に乗せたそのパンチは的確に次郎の左頬にヒットした。巨大なダムが決壊するように、安夫の鬱憤はこの瞬間解き放たれた。だがほぼ同時に次郎の左が安夫のテンプルを捉えていた。
次郎のクロス・カウンターが決まり、安夫は再び水たまりに倒れた。
少し遅れて、次郎も水たまりに突っ伏した。

(つづく)

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